子どもにとって睡眠は、心身の成長に欠かせないものです。しかしながら近年は、子どもの睡眠不足や夜型化が深刻になってきているようです。
今日は、睡眠不足によるリスクや、どうしたら睡眠不足を解消できるのかというところについてお話していきたいと思います。
厚生労働省によると、現代人は睡眠時間が減少傾向にあると言います。
コンビニをはじめとする24時間営業の店舗の登場、テレビの深夜番組、スマートフォンやゲーム機の登場など、様々な社会状況の変化が影響を及ぼしているようです。
睡眠時間が少なくなると、どのようなリスクがあるのでしょうか。
日中に眠くなってしまい集中できない、やる気が減退するなどは、皆さんも身をもって体感されていることだと思います。
しかしそれだけではなく、体内のホルモン分泌に異常をきたしたり、自律神経にも大きな影響を与えるようです。
例えば、1日の睡眠時間が4時間以下という寝不足状態が2日間続いただけで、食欲を抑えるホルモンが減少し、食欲を高めるホルモンの分泌が増加します。
すると、過剰に食べ物を欲したり、食欲が止まらなくなってしまい、食欲をコントロールすることができなくなります。
たった2日間で、このような状態になってしまうのは、怖いですよね。
そのほかにも、糖尿病、心筋梗塞などの生活習慣病にも陥りやすいと言います。
そして、このような睡眠不足を招いている社会状況の変化は、子どもたちの睡眠にも影響を及ぼしています。
財団法人日本小児保健協会が1歳半〜3歳の子どもを対象にした調査では、「22時以降に就寝する子ども」の割合は、半数を超えているそうです。
10〜20年前と比べると、顕著に増加しており、子どもの生活の夜型化が進んでいることが明らかになりました。
子どもの睡眠不足は、成長の遅れや、集中力・意欲の低下につながります。
また、前述のように、睡眠不足は食欲にも影響がありますので、肥満のリスクもあります。
幼児期は、睡眠をはじめとする生活習慣や、味覚の形成など様々な面において人生の土台となる時期です。
子どもの頃からの癖を、大人になってから直そうとするのは、なかなか根気のいる作業なので、子どものうちに正しい習慣を身につけさせてあげましょう。
睡眠不足が続くと脳の機能も低下します。
すると、私たちの気分を左右するセロトニン(通称「幸せホルモン」)の分泌も不足します。
セロトニンは、ストレスに対して効能があり、精神安定剤とよく似た構造をしているのですが、
このセロトニンの分泌が低下してしまうと、疲れやすくなったり、イライラ感が増してしまい、ちょっとしたことでも怒りっぽくなってしまいます。
「子どもが、ちょっとしたことでキレやすくて困る」
「お友だちとすぐに喧嘩になってしまう」
など、そんなお悩みは、もしかしたら睡眠不足が原因かもしれません。
ある小・中学生を対象にした調査によると、イライラしやすい子どもの半数以上は夜0時以降までの夜更かしをしており、
逆にあまりイライラしない子どもたちの夜更かし率は、約26%ほどだったそうです。
子ども自身も訳もわからず「イライラしている」「怒りっぽくなっている」かもしれませんので、まずは、規則正しい生活習慣を心がけて、様子を見てあげてください。大人がサポートしてあげましょう。
まず大人がサポートできることとして挙げたいのは、「早起き」の声かけです。
生活が夜型で夜更かしの習慣がついている場合、体内時計がくるってしまっています。
この体内時計を正しい状態に戻してあげるために、徐々に早起きをするところからはじめてみてください。
朝に自力で起きれない場合は「起きて」と声かけをしてあげて、窓辺に向かい太陽の光を浴びさせてください。
光を浴びることによって、体内時計がリセットされ、体は活動状態になります。
はじめはぐずぐずと起きてくるかもしれませんが、習慣化されれば、早起きすることが普通になっていきます。
頑張って2週間は、続けるようにしてみましょう。
早起きができるようになったら、自然と早寝もできるはずです。
ただし、夜間に強い光を浴びないように気をつけてあげましょう。
せっかく早起きの習慣がつきはじめても、夜に電気をつけっぱなしにしたり、テレビやスマートフォンの明かりを浴びてしまうと、ここでまた体内時計が乱れてしまいます。
「朝は早起き、夜はテレビやスマートフォンなどを触らずに就寝」
これを心がけてみてください。
どれくらいの睡眠時間を取ればいいの?という場合は、以下の記事を参考にしてみて下さい。
年齢別の理想的な睡眠時間を載せています。
▼参考記事
幼児期の理想的な睡眠時間
今日は、子どもの睡眠についてお話させていただきました。最後までお読みいただき、ありがとうございます。