子育て世代は、ご家庭で子どもと約束事をしたり、ルールを決めていることが多いと思います。
例えば「食べた後は、歯を磨こうね」「おもちゃは、元の位置に片付けようね」のような日常的に子どもにやってほしいことから
「○時になったら、お出かけするからお片付けしてね」「この場所では、静かにしていようね」のように、その時々に起きる突発的なものまで、さまざまです。
でも、なかなか言うことを聞いてくれなかったり、守ってもらえずに「もう!約束したでしょう」とイライラを感じてしまうこともありますよね。
この記事では、約束を守ってくれない理由とその対策をお伝えしていきます。
約束を守るには、自分の気持ちをコントロールする力(自制心や我慢する力)が育っている必要があります。
2〜3歳の子どもは、自我が全快になっている頃なので、自分の気持ちを抑えるのがなかなか難しい時期です。
個人差がありますが、自分の気持ちをコントロールできるようになりはじめるのは、だいたい4歳くらいです。
まだ4歳に満たない子どもとお約束事をしたり、ルールを決める場合は、小さな約束からはじめて「約束を守れた」という成功体験を積んでいくと良いと思います。
意味を理解していないと、なかなか行動には結びつきません。
「食べた後は、歯を磨こうね」
・・・なぜなら、歯を磨かないと虫歯になってしまうから。
「お菓子ばかり食べないで、先にご飯を食べようね」
・・・なぜなら、お菓子ばかり食べていると栄養が偏ってしまうから。お菓子には体に良くない物も入っているから。
など、約束やルールを決める以上、その理由や背景があると思うので、ちゃんと理由があるんだよ、ということを伝えてあげましょう。
もし、意味を理解せずに「言われたからやる。」という思考になっている場合は、子どもの主体性の芽を摘んでしまうかもしれません。
また、「約束を守らないと叱られる!」のような「罰があるからやる」という思考も同様のことが言えます。
約束を守らせるよりも、どうして守る必要があるのか考える機会を与えるのも大切なことだと思います。
約束は双方に対して交わされる取り決めですが、実際には「大人からのお願い」になっていることはないでしょうか??
例えば「ごはんの時間になったら、おもちゃをお片づけしようね!約束だよ。」というのは、まだ遊んでいたい子どもに対して大人からの一方的なお願いになります。
大人>片付けをしてほしい
子ども>まだ遊んでいたい
という状況にあるので、子どもにとっては、自分から交わした約束というより「躾」の類になります。
子どもからすると、ちょっとハードルが高め・守ることが難しい約束になっているかもしれません。
「約束を守れない自分は、ダメな子」と自尊心が低くなってしまうかもしれないので、子どもが守れる約束を交わしていくことが大切です。
お片づけであれば、全部を片付けるのはハードルが高めなので「つみきだけ片付ける」「お人形だけ片付ける」のように、ハードルを低くして子どもが守りやすいものを設定しましょう。
子どもは大人と同じことをやりたがるので、大人から役割や仕事を与えられると嬉しくなります。
なので、子どもとの約束を交わす際も
「お部屋がきれいだと気持ちがいいね。ママはご飯を作ってるから、代わりにお片づけできる?」
のように、子どもに役割を与える形で約束すると、責任を持って取り組んでくれる可能性があります。
ちゃんとできたら「助かったよ、ありがとう!頑張ったね!」と子どもがやったことを認めてあげてください。
「テレビは1時間まで」のような時間に対する約束事は、
●自分で時間を決めさせる
●タイマーのスタートボタンを子どもに押させる
など、子どもを巻き込む形にすることで、主体性が生まれて、自分ごとになりやすいです。
自我が芽生えはじめた2〜3歳の子どもは、「自分で決めた」という感覚を持たせてあげることで行動に繋がりやすくなるので、子どもが約束事に参加しやすい工夫をすると良いと思います。
お片づけをする時に「つみきからお片づけする?絵本をしまう?」「どの箱に入れて片付けようか?」のように、選択肢から選んでもらうのも有効です。
大人が子どもとした約束を忘れてしまっている、約束を守ったのに無反応だと、子どもは約束に対して疑問を持ったり、不信感を抱きます。
「この前は叱られたのに、どうして何も言ってこないんだろう」と、一貫性のなさは子どもを混乱させてしまうので、
●子どもと交わした約束は覚えておく
●約束が守れていない場合は、声をかける
●約束が守れたら、「できたね!」などのリアクションをする
の3点に気をつけてあげてください。
人間なのでうっかり忘れてしまうことや、忙しくてそれどころではないことも勿論あると思います。
なるべく気をつけてあげられるといいですね。