何かをやらせても興味を持ってくれない。
しばらく様子を見ても、うまくできているように見えない。
うちの子には、向いていなかったのかも。。。
習い事など、子どもに新しいことをやらせてみると、このような不安や歯痒さを感じられることはないでしょうか。
でも、一見うまくいっていないように見えるその状況は、もしかしたら「沈黙期(サイレントピリオド)」かもしれません。
沈黙期(サイレントピリオド)という言葉は、語学の習得に関してよく使われます。
たとえば、あるご家庭で子どもを英語教室に通わせたとします。
教室での様子を観察していると、ほとんど発音していなかったり、あまり積極性が見えず、楽しそうでもありません。
しばらく通わせても、同じような調子だったので「ほかの子は、大きな声で発音しているのに、この子は、英語に興味がないのかも。」
と、親御さんは思いました。
しかし、それからしばらく時間が過ぎると、突然、英語を使おうと頑張って話し出すようになりました。
一体、子どもにどのような変化があったのでしょうか。
親御さんから見て「この子は、英語の興味がないのかも」と思っていた期間は「沈黙期(サイレントピリオド)」と言われている、
・頭の中で英語への理解を進めている
・先生の発音を聞くことに集中している
・英語で話す環境に慣れようとしている
・どうすれば上手に発音できるのか考えている
など、新しいことを吸収しようとしている期間だったのです。
この沈黙期は、語学学習に限らず、子どもが成長していく際に起こりうる現象です。
興味を示しているように見えなかったり、楽しそうにしていなくても、実は子どもの中ではどうすれば良いか戸惑っていたり、がんばって理解しようとしているかもしれません。
はじめてのこと・ものに出会ったとき、ワクワク!と楽しい気持ちになることもあれば「ふーん」で済ませてしまうこともあります。
「ふーん」で済ませるものは、まだそれが「なんなのかよくわからないもの」であり、よくわからないからこそ「おもしろみ」を感じていません。
でも、しばらく向き合い続けていると、「気づき」や「魅力」を発見して、「ふーん」と通り過ぎようとしていたものが、突然輝きだすことがあります。
これは、時間をかけてやってみなければ、わからないことですよね。
ものごとのおもしろさを知るには、「できた!」を体験させてあげることも大切なポイントです。
一つのことに熱中したり、集中するような子は、小さな成功体験を積み上げています。そしてそのきっかけは、本当に些細なことだったりします。
たとえば、
・公園に咲いているお花の名前を言ったら、先生に褒められた
・お絵かきをしていたら、「上手!」とお友だちに言われた
・元気よく挨拶を大きな声でしたら、近所の人に褒められた
など、本当にちょっとしたことがきっかけになりますので、子どもがやったことに対して「ちゃんと見てるよ!」という反応をしてあげると良いと思います。
リリーでも、子どもたちの日々の成長や変化はしっかり見るようにしていて、その様子はお母さんにも報告することがあります。
「見てくれていた!」というのは子どもたちにとって、嬉しいことで、もっとがんばってみようという意欲にもつながるので、声かけするようにしています。
また、目に見えて変化することがなかったとしても、水面下ではぐんぐん成長している可能性が十分に考えられます。
成長のスピードは、個人差がありますし、焦りは禁物です。
ゆったりとした気持ちで成長を見届けることが、子どもの才能の開花につながっていくはずです。