三つ子の魂百までと言われているように、子どもの性格や、得意不得意は、幼児期のうちにある程度決まってしまうと言います。
運動能力についても同じで、幼児期に十分な運動経験がないと、高いレベルでの運動技能を身につけることは困難とされています。
今日は、運動能力の発達についてお話しをしていきたいと思います。
様々な技術が進歩したおかげで、私たちの生活はとても便利になりました。
パソコンやスマートフォンの普及など、片手一つでゲームやコンテンツにアクセスすることができます。
道路も綺麗に整備され、車が普及し、エレベーターやエスカレーターが設置され、移動も楽になりました。
便利な世の中になった分、
・外に出なくても、楽しめる遊びがある
・親戚、近所との付き合いが希薄になった
・都市化が進み、遊び場所が減ってしまった
などの理由により、子どもが運動する機会が減ってしまったように思います。
文部科学省が出しているデータによると、「幼児期運動指針(※)」によって、子どもの体力低下には歯止めがかかりつつありますが、高い水準を保っていた昭和60年と比べると、依然として低い状況となっています。
※文部科学省は、平成24年3月に子どもの体力・運動能力向上をはかるべく、「幼児期運動指針」を策定しました。
自発的に運動しようと思わない限りは、身体を動かす機会がないので、「積極的に運動をしている子どもとそうでない子どもの二極化」が進んでいるそうです。
幼児期は、運動能力の発達に関わる「神経系」の発育が著しく、この時期に運動する機会が少ないことは非常に勿体無いように思います。
子どもの身体・脳の発達状況がわかるグラフがあります。
このグラフは、「スキャモンの発育曲線」と呼ばれるもので、0歳〜20歳の中で、身体の各機能がどのように発達して行くのか示したものです。
注目していただきたいのは、「神経系」の線です。
身体を動かすには、脳から運動の指令を出し、その指令が神経細胞を通じて筋肉に伝わることで、身体を動かすことができるのですが、この動作に深く関わっているのが「神経系」なのです。
立つ、歩く、座る、走るなどの動作は、神経の伝達がスムーズにできているからこそ、できる動作です。
神経系の成長は、3~4歳で80%程度となります。この時期はなるべく色んな身体の動きを体験させてあげて、神経回路を刺激してあげることが運動能力の向上につながります。
また、神経系は、後から伸ばすことができないものです。伸びるタイミングを逃してしまうと、一生、その機会を失うことになってしまいます。
幼児期は、運動能力を伸ばす上で、大切な時期ですので、ぜひ、お子さまにお外で遊んだり、運動する機会を与えてあげてくださいね!
・近所に同い年くらいのお友達がいなくて、お外遊びができない
・仕事や家事が忙しく、なかなか子どもと一緒に遊ぶ機会を作れない
という場合は、地域のコミュニティに参加したり、習い事としてスポーツを習わせてみてはいかがでしょうか。
幼児期にオススメの習い事として、ご紹介したいのがスイミングです。
スイミングは、全身運動なので、満遍なく身体を動かしてもらうことができます。
また、水中は浮力が働くので、体重が三分の一ほどになり、小さな子どもの身体に負担なく運動することできます。
幼児期にスイミングを習っていたプロスポーツ選手は多く、サッカーの本田圭佑選手、テニスの錦織圭選手など、たくさんの有名選手が幼児期にスイミングを経験されています。
「プロスポーツ選手になってほしい!」とまでは思わなくても、平均以上の運動能力にはなってほしいと思われる親御さんは、多いのではないでしょうか。
運動が得意になるには、「始める時期」がとても大切です!
お子さまに何かスポーツを習わせたいという方は、最も力が伸びやすい時期を逃さないように検討いただければと思います。