今回のテーマは、「非認知能力」です。
詳しくは後述しますが、非認知能力とは、意欲や思いやり、社会性といった数値化できない力を指していて、「生きる力」として注目されています。
今日は、なぜ非認知能力の注目度が高いのか、一体どんな力なのか、また、伸ばすポイントとして、自然あそびに焦点を当ててお伝えしていきます。
2020年より導入された新学習指導要領では、これまでになかった新しい視点での取り組みが追加されました。
これまでの学校教育ではIQや学力など、テストで測定できる知識や技能(=認知能力)が重視されてきましたが、
これからは、認知能力に加えて、「意欲」「忍耐力」「思いやり」などの数値化できない力(=非認知能力)の両輪を育てる指導方針へと切り替わります。
テレビ、ラジオ、インターネットなど、様々な情報が溢れる中で暮らす私たちにとって、知りたい情報や学びたい知識を得ることは、さほど難しいものではなくなりました。
そうなると「知っている」だけでは、特別な価値を持たなくなります。
これからは「知っていること、学んだことを、どのように活用していくのか」という視点が大切になります。
例えば、英語が話せることは、素晴らしいことですが、大切なのは話せるようになることではなく、英語を使って何をするかです。
算数の計算問題がスラスラ解けることも、素晴らしいことです。でも大切なのは、テストで良い成績をとることではなく、その学びを普段の生活に生かせるかどうかです。
袋の中に入った飴玉を、お友だちに当分に分けられること、分けてあげようと思えることのほうが重要ではないでしょうか。
学校で勉強したことを、社会で価値のあるものに変えられる力が非認知能力であり、新しい時代に適応していくために必要な力として、今注目されています。
非認知能力は、数値化できない力を総称したものになりますが、具体的には以下のような力を指しています。
自己認識 ・・・やり抜く力、自分を信じる力、自己肯定感
意欲 ・・・学習志向性、やる気、集中力
忍耐力 ・・・ねばり強く頑張る力
セルフコントロール ・・・自制心、理性、精神力
メタ認知 ・・・客観的思考力、判断力、行動力
社会的能力 ・・・リーダーシップ、協調性、思いやり
対応力 ・・・応用力、楽観性、失敗から学ぶ力
クリエイティビティ ・・・創造力、工夫をする力
新学習指導要領のリーフレットの表紙には、「生きる力 学びの、その先へ」という言葉が大きく飾られています。
上記にあげた力は、まさに「生きる力」であり、自分で未来を切り開いていくような前向きなイメージがありますよね。
では、これらの力をどのように伸ばしていけばよいのでしょうか。
新学習指導要領では、非認知能力を伸ばすべく「アクティブラーニング」が導入されています。
アクティブラーニングとは、先生による一方的な指導ではなく、子どもたちが能動的に学ぶことができるような学習方法です。
教壇に先生が立ち、教科書を片手に進めるような授業では、子どもは受動的になりがちです。
そうではなく、子ども同士でお互いに意見を言い合ったりするような、グループワークやディスカッションを中心とする授業を行うことで
子どもが主体的に取り組めるようになる狙いがあります。
先生や親がいくら「頑張りなさい」と言ったところで、子ども自身が「やってみたい!」と思わなければ、力は伸びていきません。
大切なのは、子ども主体で「知りたい」「やってみたい」と感じ、自分で工夫しながら「できた!」という体験をすることです。
主体的な活動が、「粘り強くやり抜く力」「意欲」「集中力」「創意工夫する力」など非認知能力を向上させます。
かなり前置きが長くなりましたが、この記事のタイトルの内容に入っていきます。
タイトルを「非認知能力が身につく自然遊び」としていますが、自然の中での遊びは、子どもが主体的にのびのびと活動する環境として適しています。
私たちが日常を送っている場所は、一定のルールや常識がありますよね。
公園ではボール遊びや自転車の乗り入れが禁止されているところもありますし、近隣の迷惑にならないように気をつけたり、何かと制限がある中で暮らしています。
対して、自然の中では、このような制限が取り払われていますので、心も体も開放的になることができ、子どもの素直な要求が聞けると思います。
「うちの子は、何に興味を持っているかわからない」という場合は、一緒に自然の中で遊んでみると子どもの興味・関心がわかってくるかもしれません。
自然は未知なことであふれているので、普段目にしないものを見ることで、興味が湧いたりするものです。
「この虫、何をしているのかな?」
「あの花、なんて花?」
「足跡があるよ!なんの動物かな。」
など、子どもの興味や関心にスイッチが入れば、自然な流れで主体的な学びが生まれますし、何に対して興味を持っているかわかれば、その場その場でできる遊びを考えることもできます。
「興味を持つこと」から主体的な学びがはじまっていくので、子どもが何に対して興味を引かれているのか探してみてください。
自然を相手にするような仕事、例えば、登山家、ネイチャーガイドや、アウトドア・キャンプのインストラクターであっても、自然は未知なことで溢れていて、予測のつかないことばかりです。
自然を前にすると、大人であっても知らないことが多いもので、わからない、できないことがあって当たり前なので、大人も子どもも対等な目線になりやすいです。
日常生活では、子どもと接する際に、どうしても大人目線になってしまいがちではないでしょうか?
これまでの経験や知恵があるので、子どもの行動が効率的ではなかったり、あまり進んでいないように見えると、手や口が出てしまうこともあると思います。
そのような日常から離れて、お父さん、お母さんと一緒に、「なんだろうね」と一緒に考えることができたり、「どうやってこの道を渡ろうか?」と試行錯誤することで、子どもは、安心して好奇心や意欲を発揮できて、主体的に学びに向かう力が育まれます。
お父さん、お母さんにとっては、子どもと同じ目線に立てることで、今まで知らなかった子どもの一面や、良さを知るきっかけになるかもしれないですね。
近場に自然があまりないという場合は、日常の中の自然を意識してみると良いと思います。
コンクリートの道にも、隙間に花が咲いていたり、小さな蝶が飛んでみたり、蟻が行列を作っていたり、鳥の羽が落ちていたり、よく見れば小さいながら自然がそこかしこにあります。
大人の目線では通り過ぎてしまうようなものも、子どもの目線では「なにこれ」「気になる」と思っていることも多いものです。
そういったものに一緒に目を向けたり「なんだろうね」「おうちに帰ったら調べてみようか」と向き合ってあげることで、ちょっとした興味から学びに向かう力に変わるかもしれません。
また、いつも遊んでいる公園があるなら、たまには別の公園に行って遊んでみるのも良いと思います。
「いつも同じ場所」ということが悪いわけではありません。
同じ場所であっても、初めて遊んだ時と、何度か遊んでいる状態では、感じ方が変わってきます。
いつもの環境だからこそ、遊び方を工夫したり、自分のアイデア次第でたくさんの遊びの引き出しがあるんだという気づきを得ることができます。
ただ、環境の変化は、子どもにとって多くの刺激を与えてくれますので、たまに別の公園に行ってみたり、1年に1回、田舎や自然のある場所に遊びに行ってみるのはいかがでしょうか。
記事の内容をまとめます。
非認知能力は、「意欲」「好奇心」「考える力」「コミュニケーション力」「粘り強さ」など、IQや学力では測れない内的な力のことです。
2020年から導入された新学習指導要領では、「子ども主体」での学びを重視しています。
先生のお話を聞くだけではなく、子ども同士でグループワークやディスカッションを行うことによって、主体的に学び考える力を育む取り組みを提唱しています。
自然は、未知なことでいっぱいです。子どもの「なぜ?なに?」を引き出すポイントがたくさんあり、それが主体的な学びにつながります。
遠くに出かけなくても、日常の中に小さな自然を見つけてみましょう。大人が見過ごしてしまうような景色の中に、子どもの「なぜ?なに?」を引き出すポイントがあります。また、いつもの遊び場とは別のところで遊ぶことも、子どもに良い刺激を与えるのでおすすめです。
自然を通じて、子どもの自由な発想や疑問を尊重してあげましょう!
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