みなさんは「ペリー就学前プロジェクト」をご存知ですか?
アメリカの経済学者で、ノーベル経済学賞を受賞したジェームズ・J・ヘックマン教授が行った研究です。
近年では、前オバマ大統領が、一般教書演説の中で、就学前の4歳児すべてが幼児教育を受けられるようにしようという計画を提案しましたが、
この政策にも大きな影響を与えたといわれています。
「ペリー就学前プロジェクト」は、1962年から1967年の間、経済的に恵まれない3歳から4歳の子どもたち123名を2つのグループに分けて行った実験です。
1つ目のグループは、午前中は学校で教育を施し、午後は先生が家庭訪問をして指導にあたるというもので、2年間ほど続けられました。
2つ目のグループは、就学時前教育を受けない従来と同じ方法で子育てをしました。
そして就学前教育の終了後、就学前教育をうけた子どもたちと、うけなかった同じような経済的境遇にある子どもたちとの間では、
その後の経済状況や生活の質にどのような違いが起きるのかについて、約40年間にわたって追跡調査が行われました。
その結果は、有意な差となって表れました。
就学前教育を受けた1つ目のグループは、就学後の学力の伸びにプラスに作用したことはもちろん、2つのグループを40歳になった時点で比較したところ、高校卒業率や持ち家率、平均所得が高く、また婚外子を持つ比率や生活保護受給率、逮捕者率が低いという結果が出たのです。
特に顕著に差がでたのは、非認知能力の向上です。
非認知能力とは、IQや学力テストでは測れない内面的な力のことです。
学習意欲や労働意欲、努力や忍耐などの非認知能力を高めることで、高所得を得たり、社会的に成功をすることに貢献をしています。
以上の研究結果から、就学前教育を受けることで、その後の人生が大きく変わることがわかっています。
幼児教育の有無によって、学力や収入だけではなく、内面的な力にも差が出ることがわかりました。
では、ご家庭では子どもと接する中で、何に気をつけることが大切なのか、3つにまとめました。
意欲・粘り強さ・探究心が身についていきます。
何でも子どもにすべて任せきりにせずに、大人がサポートをすることで(ちょっとした励ましの言葉や接し方)、
粘り強く取り組み結果、子どもにとっての成功につながります。
上の「成功体験を積み重ねること」と似ているようですが大きく異なります。
子どもが自分の努力できる力を持続させる、接し方と、結果を出す接し方では大きく異なります。
結果を出すための手出し口出しは消してプラスにはならないので、気をつけましょう。
ご家庭での接し方ひとつで、子どもたちの生きる力が育まれていくので、少しずつでも意識してみましょう。