お着替えなどの身の回りのことは、子どもが一人でできるようになってくれたら楽ですよね。
お出かけする前に、着替えを手伝ったり、トイレに行かせたり、バタバタしてしまうことも多いと思います。
そこで、今回は子どもの身辺自立という括りの中で「お着替え」をテーマにお話していきたいと思います。
大人の手を借りずにスムーズにお着替えできるのは、4歳を過ぎてからが多いと思います。
それまでは、大人の助けを借りながらになりますが、子どもの成長にあわせて、できることをやらせてあげるのが良いでしょう。
1歳半を超えると、なんでも自分でやりたいという時期に入るので、もし自分でお着替えしたいという意思表示が出たら、やらせてあげましょう。
やりたがっている時こそ、できるようになるチャンスです。
少しずつ自分でお着替えする感覚を掴んでもらいましょう。
3歳くらいになると服の前後や表裏の区別ができるなど、服の構造の理解が進みます。
「こっちが前だよ」「足ここから出すんだよ」と声かけしながら、子どものペースでお着替えさせてあげましょう。
できるところは子どもに託して、「自分でできた」という感覚を掴ませてあげると良いと思います。
上に書いた年齢は、あくまでも参考になりますので、焦らずに子どものペースで進めてみましょう。
もし、
●なかなか自分でお着替えをしようとしない
●お着替えを嫌がる
という場合は、何か理由があるのかもしれません。
以下に考えられる理由をまとめたので、参考にしてみてください。
赤ちゃんの頃から、当たり前のように大人が着替えさせているので、お着替え=まわりがやってくれるものという認識をしていて、自分でやろうとしないのかもしれません。
少しずつで良いので、子どもが着替えに参加できるようにすることがポイントです。
事務的にさっと済ませるのではなく、「バンザイしてね」「足をピーンと伸ばして」「ここに足を通してね」と声かけをしてあげたり、
「ここから、頭を出せるかな?」と部分的にやらせてみてください。そうすることで「着替え=自分でやるもの」という意識が芽生えてくるはずです。
お着替えに限らず身辺の自立には、「自分でやるものなんだ」という自覚が不可欠です。
やりたい気持ちはあるけど、どう着替えていいのかわからない場合もあります。
そのような場合は、大人がお手本を見せてあげることが有効です。言葉だけで「ここをこうして」と伝えるだけでは、イメージが湧きにくく、理解が進まないことが多いです。
大人がお着替えする姿を見て、真似をしてもらう形をとると、スムーズに理解が進みやすいです。
また、いっぺんにやらせずに「Tシャツを着る」「ズボンを履く」「靴下を履く」のように、一つひとつの工程を確認しながら進めると良いと思います。
時間がたくさんある時に、試してみてください。
洋服そのものが、子どもにとって扱いにくい素材や作りになっているのかもしれません。
一見単純な作りの服でも、伸縮性がなく、しっかりとした生地は、子どもの力では首や腕を出すことも難しい場合があります。
お着替えに苦手意識を持ってしまわないように、最初のうちは、子どもにとって着替えやすい、柔らかく腕や首を通しやすい素材の服を選んであげると良いと思います。
お着替えに限ったことではありませんが、大人がやってほしいタイミングと、子どもがやりたいタイミングにズレが生じるのは、よくあることだと思います。
もしかしたら、「まだ眠い」「テレビを見ていたい」「遊んでいたい」など、着替える気分になっていないから、着替えようとしないのかもしれません。
あらかじめ「●時になったら、お着替え」「このテレビが終わったら、お着替え」のように予告をしておいてあげると、「お着替えする」という頭に切り替わりやすいので、試してみてください。
「この音楽が鳴ったら、お着替え」というルールを決めておくのもおすすめです。
子どもは、楽しい遊びには夢中になって取り組みます。
お着替えも遊びと同じような感覚でできれば、お父さん、お母さんに言われなくても自分でやろうという気になりやすいので、何か工夫を加えてみると良いと思います。
●「どっちが靴下をはやく履けるかな?」と、親子で競うゲームをする
●子どもが好きな音楽を流す
●着替え終わったらハイタッチ
など、子どもが楽しめる工夫を盛り込んでみましょう。
前述しましたが、身辺の自立には「自分のことは自分でやるものなんだ」と子どもが自覚することがとても大切です。
そのような自覚を芽生えさせるには、子育て支援センターや、保育園など、集団生活できる環境に身を置くことも有効な手段です。
集団で生活すると、自分以外のお友だちの様子を見ることができ、それが子どもにとって良い刺激になります。
子どもは、大人の真似をして育つものですが、それと同じくらい、まわりの子どものことも意識的に見ているものです。
同い年くらいの子どもたちと一緒に過ごすことで「まわりのお友だちができているなら、やってみようかな」という意欲が引き出されます。
お家では、お父さん、お母さんを相手に甘えてしまうこともあると思いますし、それは幼児期の子どもにとって自然なことです。
しかし、同い年の子どもたちの中に入ると、甘えてばかりというわけにもいかないので、少しずつ精神的に自立へと向かいます。
また、保育施設では、登園の時間、お昼ごはんの時間、お外遊びの時間など、時間割が立てられているところが多いので
●生活リズムが整う
●次の予定への切り替えに対応できる
といった効果もあります。
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子育て支援センター リリー
お家とは別の環境に身を置くことで、子どもの新たな一面が見れるかもしれません。
年齢や成長度合いによって、子どものできることは次第に増えていきます。
子どものペースで焦らずに進めていきましょう。